【感想】ワールドトリガー 第211話「遠征選抜試験⑨」
あらすじ:
- 初日の部隊別の順位・得点が公開され、チーム内で共有されました。諏訪7番隊は原因もわかってますし、対策もできてるのでわりと穏やかでした
- 歌川1番隊は漆間が険悪なムードを出してましたが、原因は空閑が日本語苦手というところなので、明日からは歌川がサポートすることになりました
- 若村11番隊は実質的に最下位。ヒュースは自分が原因だと冷静に分析し、対策として不正ギリギリの方法を提案します。若村はその場で判断できず、明日の朝までに決断することにしました
- 古寺が個人成績表を見ていて何かに気づき、諏訪に質問したところで次回へ続きます。
感想:香取の顔芸とチームごとの共通課題への対策が特徴的な回でした。チームの数だけ対処法があるのが面白いです。
初っ端から香取の顔芸から来ましたが、三雲に対してわめきちらさないあたり香取の成長具合がうかがえます。他のメンバーはトラブルがあったからしょうがないという感じですし、香取もトリオン切れのトラブルがなければ真ん中ぐらいはいける、と真延期に考えています。これも三雲がすぐに対策を打ち出せたのも大きいです。
一方で歌川1番隊はちょっと険悪なムードですね。主に漆間が、ですが。空閑の識字率はヒュースに比べたらかなりマシではありますが、難しい漢字を読むのは苦手ですし、どうしても他のメンバーにも負担をかけてしまいます。歌川が事前に空閑と虎太郎に「なるべく志岐に話しかけてほしい」と伝えていたので、質問が志岐に集中したのも影響しているようでした。明日以降は空閑は歌川に、虎太郎は引き続き志岐に質問するように体制を少し変えることにしました。
若村11番隊は下から2番目でぎりぎり最下位は免れたものの、三雲のトリオン切れがなければおそらく最下位だったでしょう。三雲のことを知っているヒュースは、諏訪7番隊の得点が低い理由を見抜いていました。原因は一目瞭然でヒュース自身です。空閑以上に文字が読めないので、マリオがつきっきりで問題を読み上げる必要があります。ヒュース自身が冷静に分析している姿はなんだかシュールでした。
ヒュースが対策として提案したのは、残っている共通課題を得意分野で4等分して4人で手分けして解き、最後に解答を写しあうというものです。露骨なカンニングとはなりますが、ヒュースがマリオに対し口頭で回答するのを他のメンバーも聞いていたはずなのに不正扱いとなっていません。その上、「遠征艇の中にいるつもりで7日間過ごす」という前提があり、単純な問題の解答能力ではなく、広い意味で能力を評価されるはずです。ただ、確実に安全な方法というわけでもないので、「状況を総合すれば不正にはならないだろう」と述べています。
このあたりの「ヒュースの主張は論理的だが絶対に安全ではない」としているところがワートリらしいシビアな感じで大好きです。その人の得られた情報を整理するとこうなるが、新たな情報次第で変わる可能性があり、そのことを登場人物自身もわかっているというのが良いです。煮え切らないと言われるかもしれませんが、「頭の良いキャラが何かを閃いたら何があろうとその案が百パーセント正しくなる」というのは少なくともワートリで見たい展開ではありません。
実際、この露骨なカンニングは「ルールは大人の手にある」ではありませんが、試験官の都合で白にもできるし黒にもできると思います。
判断をゆだねられた若村はちゃんと睡眠をとれるのか心配になりますが、若村の最終的な判断と、それに対するヒュースの反応が楽しみです。リスクをとるか、リターンをとるか。それともリスクを回避しつつリターンを得られる別の手を思いつくのか。
料理もできる東さんが素敵すぎます。そして雨取が持ち込んだ鞄の中身は全部米でした。底の方に何か入ってる可能性もありますけど、まさか持ち込みできる荷物にほとんど米を突っ込んでくるって、誰も想定できませんよ。持ち込み品がこういう風に明かされてくると、他の人がどんなものを持ち込んだか気になってきます。
古寺が個人成績表を見て何か疑問に思ったらしく諏訪に連絡をしていました。ざっと見た感じではそこまで気になる項目はなかったと思いますが、古寺は何が気になったのでしょうか。個人成績に関する項目だったら諏訪にかけるよりも、成績順位が近いところの方が参考になるような気もしますし、部隊ごとの得点の差の部分で何か気づいたのでしょうか。
雑記(読みながら適当にメモったこと)
- どうも前回の「遠征選抜試験⑦」はミスだったようで、今回は遠征選抜試験⑨になってました。良かった。
- 諏訪7番隊は初日最下位。チーム内での順位発表のやり方って隊長の性格が表れそうですね
- 「最下位……」と呟いてから香取を見る修が面白い
- 隠岐は「ほぉ」と少し驚いた様子、宇井はういっとした感じ。香取は読者の予想通りの大変驚いた様子
- ギギギギ→「…………」→ぶふぅぅ、の流れはやっぱり笑います。修に対して文句を言わなかったところは成長を感じます。
- 香取「メガネさえちゃんと働けば真ん中くらいはいけるってことでしょ」→宇井「おお~(堪えた)」
- 宇井が驚くシーンって地味に貴重です
- それにしてもこのメンバーかつ諏訪さんがリーダーだと部隊が険悪な雰囲気になりそうにない
- ごはん係分担は宇井が夕食担当、香取が夕食補助、諏訪が朝食担当、隠岐が片付け担当、修が課題(残業)
- 歌川1番隊では「下から3番目って……どう考えても原因はこいつ(空閑)だろ」と漆間がきつい発言してる。なごやかな諏訪7番隊とは裏腹です
- 歌川が事前に空閑と虎太郎になるべく小夜子に話しかけるよう伝えていたのが裏目に出てしまった模様
- 空閑はひらがなやカタカナ、簡単な漢字は読めますが、全部読めるわけじゃないので小夜子に聞かざるを得ず、その結果小夜子の課題も進んでないようです
- 小夜子は小夜子で、質問のたびにすごい混乱して復帰するまで時間がかかってそう
- 空閑が攻められているところに、「おれもけっこう質問しちゃってすみません……」と謝れる虎太郎君は大人です
- 漆間はきつい物言いですが、正直ですし、悪意というより事実なので空閑にはそれほど悪印象を与えていなさそう
- 空閑・虎太郎から完全に質問させないようにすると小夜子が会話に参加できなくなるので、明日からは空閑は歌川に、虎太郎は引き続き小夜子に聞くことになった
- 歌川が気にかけてましたが、空閑の『外国育ち』の設定って他のボーダー隊員にはどのように伝わっているのでしょうか
- 若村11番隊は10位。麓郎が地味に香取のことを気にしているのが微笑ましい
- ダルいダルい言いつつも半崎君は絶対に手を抜いてないんだろうな
- ヒュースの自己分析が冷静過ぎて少し面白い。
- ヒュース「オレの課題が遅れているうえにオレを補助する真織の課題も遅れている。驚くほどのことじゃないな」→真織「なんであんたが一番落ち着いてんの?」
- 読者としては、「ヒュースだったら冷静に自分の非やチームへの影響を認めつつ、悪びれないんだろうなあ」と思っていたのでまさに予想ど真ん中の反応
- 確かにヒュースと空閑は戦闘試験でいくらでも挽回できますし、閉鎖環境試験は多少マイナスでもOKなのか……
- ヒュースはナチュラルに修への信頼度が高い。明日以降気を付ければいいだけのこと(修ならそれぐらいわかっているだろう)という間あげが言葉の裏から見て取れます
- 半崎の「実質うちが最下位ってこと? うわーこりゃダルいわ」発言
- これ絶対に悪意とかないのに、麓郎が勝手にダメージを受けています
- 『共通課題』の遅れを取り戻す方法が1つある、というヒュースの提案
- 残っている『共通課題』を得意分野で4等分し4人で手分けして解いてそれぞれ解答をメモしておく。それぞれの担当した問題が終わったら答えのメモを全員で回して『共通課題を片付けていく。この方法なら頭を使って解くのは4分の1で残り4分の3は答えを書き写すだけで済む
- さらりと言ってのけてますが、露骨なカンニングなので他のメンバーもさすがに無理でしょという顔をしています
- 今日ヒュースは真織の読み上げに口頭で答える形で課題を解いていたが、他のメンバーもそれをずっと聞いていたはず。メモを回して答えを写すのが不正になるならヒュースの答えを聞いていた他のメンバーも不正になるはずだが、今日解いた課題は特典として認められている。だから露骨なカンニングも不正にはあたらないのではないかというヒュースの主張
- 真織「答えを教え合っても不正にはならへんてこと?」→ヒュース「状況を総合すればそうなるだろう」
- ヒュース「課題を正面から解くことだけが能力の照明になるわけじゃない。これが遠征中なら状況に応じてより早くより効果的な特殊な解決方法が必要になる場合もあるはず」
- ただこれって若干論理が飛躍してるような……。不正じゃないと「判断された」から得点になったのか、不正かどうか「判断自体がされない」から得点になったのかによって変わると思います。
- 不正かどうかが判断される場合は「ヒュースの答えを聞いて自分の該当課題に解答し」「カンニングしたことを試験官に対して明らかにした」時にも得点となるかを確認しておく必要があります。一方で不正化どうかの判断自体がされない場合はヒュースの提案が最適解となります
- まあ、「遠征艇の中にいるつもりで7日間過ごせ」という言葉や文字の読めないヒュースというハンデを抱えていることを考慮すると、やってみる価値はありますよね
- 麓郎がみんなに見られているのに自分が判断するのだと気づいてません。マリオちゃんに「どうすんの?」と聞かれてようやく自分が決めることに気づきます
- 麓郎(……オレが決めるのか……!? オレが……!? 隊長だからか……!)
- 麓郎「あ…… ちょ…… ちょっと考えさせてくれ…… 明日の朝にはどうするか決めるから……」
- 情けないようにも見えてしまいますが、いきなり隊長に抜擢された17歳の少年だったらこれぐらいでも普通ですよね。即座に対策を思いついてその場で発表できるメガネなんて一人で十分です
- 二宮8番隊では料理上手な東さん
- 東さん……髪を後ろで結ぶなんて……反則じゃ……
- 東「今日は簡単に炒め物と米とスープでいいか?」
- 「今日は」ってことは、今日以外は簡単じゃない料理も作ってくれるってことかな……? 期待が高まる。
- 加賀美「料理できる人いて助かる~」
- 7歳年上の男性にタメ口きける女子高生とかたくましい。二宮さんですら「何でも大丈夫です」と丁寧な口調なのに
- 千佳「これ使ってください」
- 差し出された荷物の中身は全部米…………米!?
- さすがの東さんも1コマだけだけど汗を流しています。持ち込み品はコンテナに入るだけ持ち込めるとは言ってましたが、全部米って……千佳はどれだけ米好きなのか
- 二宮「そういや焼き肉の時も米ばっか食ってたな……」→ユズル「『焼き肉の時』……!?」
- ナチュラルにユズルを動揺させる二宮さんは相変わらず面白いです
- 柿崎3番隊ではののさんがエプロンをつけてます。にじみ出るおかんオーラ
- ののさん朝弱かったんですね
- 太一「おれも手伝いますよ!」に柿崎さんが一瞬同様してるところに笑います
- 古寺6番隊では奥寺が料理を手伝っていますね。食材を切ったり、手先が器用そう
- 六田さんは料理下手ではなさそうですが手際が悪いようです。勝手な印象ですけど並列処理が低いのかな
- 木虎が料理当番の二人を心配していたので、木虎自身は普通に料理できそう
- 古寺は個人成績表を見て何か気になったらしく、諏訪さんに電話をかけ「ちょっと訊きたいことがあるんですけど」と切り出しました
- 個人成績表は3月17日 19:00時点のもの。
- 項目は課題得点、特別課題、A級評価、合計の4項目
- 古寺:課題得点:415、特別課題:80、A級評価:+20、合計:515
- 六田:課題得点:316、特別課題:80、A級評価:+3、合計:399
- 奥寺:課題得点:298、特別課題:80、A級評価:+5、合計:383
- 三浦:課題得点:296、特別課題:80、A級評価:+5、合計:381
- 木虎:課題得点:409、特別課題:80、A級評価:+8、合計:497
- どこに違和感を持ったのか、そしてなぜ諏訪に電話をかけたのかがポイントですね
- 特別課題が全員一律なのはチーム単位で意見をまとめたからでしょうし、課題得点やA級評価は個人差がでるのでしょうがありません。正直個人成績表単体だとそれほど違和感は感じないなぁ。強いて言えば古寺のA級評価が
- むしろ暫定順位の表で歌川1番隊、若村11番のような外国人(実際は近界民)を抱えている隊よりも得点が低かったから気になったというならわかりますが……。
遠征選抜に関する記事をまとめたページ↓