ヤンジャンで連載が始まった『王立魔法学園の最下生~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~』(漫画版) の第2話で鬼滅の刃のパクリがあったと聞いたので実際に本編を見てみました。
↓試し読みで見れるようなので気になる人は見てみると良いと思います。
[第2話] 王立魔法学園の最下生〜貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する〜 - 原作:柑橘ゆすら 漫画:長月郁 | となりのヤングジャンプ
鬼滅の刃のパクリと言われているシーンは第2話冒頭で、主人公と同じギルドに所属するサッジという脳筋っぽいキャラクターが「猪突猛進!」と叫びながら壁を突き破って登場する面です。
↓今回問題のシーン(「王立魔法学園の最下生」第2話のサッジ登場シーン)
↓元と思われるシーン(鬼滅の刃第3巻で伊之助が障子をぶち破るシーン)
……れ、冷静に考えましょう。いくつかのポイントに分けて考えれば良いのです。
- 「猪突猛進」という言葉 →ただの四文字熟語なので、パクリではない
- 壁を突き破るという登場シーン →漫画でよくあるので、パクリではない
- 四文字熟語を台詞に使うキャラ →漫画ではたまに見かけるので、パクリではない
それぞれの要素で考えるとパクリではないので、トータルで考えてもパクリじゃないのかというと必ずしもそうはなりません。脳筋キャラが壁を突き破るのはわかります。目標物に対してがむしゃらに進んでいるので猪突猛進という言葉を使うのもわかります。
でも、「四文字熟語を叫びながら壁を突き破るキャラクター」というのはどれほどいるでしょうか。
四文字熟語をよく口にするキャラクターは大概口数が少なかったり、あるいは頭脳派キャラだったり、どちらかというと物静かで知的なキャラが多い印象です。
鬼滅の刃の伊之助はむしろ真逆ですが、彼は山で狼に育てられたという過去があるので四文字熟語はほとんど知らないでしょうし、子供っぽい性格かつ大雑把なので気に入った言葉を口にしながらがむしゃらに進むのもわかります。
一方、「王立魔法学園の最下生」のサッジはそういった特別な背景があるわけでもなく、第2話を見る限り壁をぶち抜く荒っぽい性格は見受けられますが、四文字熟語が特別好きなわけでもないようです。そんな彼が「猪突猛進!」と大声で叫ぶのは違和感があります。
猪突猛進なキャラはいても、自分から猪突猛進って叫ぶキャラってほとんど見ない気がします。あくまで「相変わらずあいつは猪突猛進だな」と他人が評価するときに使われたり、「猪突猛進に攻めるのみ」とモノローグで使われたり、台詞の中の一つの言葉として使われることの方が多いです。
それなのに「猪突猛進」と口走りながら壁を突き破って登場するというシーンを見せられてしまうと、パクリとは言わないまでも、鬼滅の刃にインスパイアされているという印象は避けることができないと思います。
そもそも唐松模様を使うだけで鬼滅の刃のパクリと批判されていまうこのご時世に、鬼滅の刃と被りそうなシーンがあったらもう少し被らないように手を入れても良かったんじゃないでしょうか。「猪突猛進!」の台詞は前のページに入れてこのページは壁をぶち抜くだけ、とかだったらここまで似てるとは言われなかったんじゃないかなーというのが外野からの勝手な感想です。
余談ですが、今回検証するためにこの漫画を読んだところ、パクリがどうとかは別問題として、ストーリーや設定に色々と考察しがいのある作品のようでした。色々と興味深い内容なので、続きが少し気になっています。